韓国伝統文化の粋に触れる。芸能と陶芸から韓国を知る。

庵久
庵久

韓国伝統文化の粋に触れる。芸能と陶芸から韓国を知る。

KOREA COLUMN
韓国の「食」にまつわるミニコラム集

韓国菓子って何?
伝統的な韓国菓子を「韓菓(ハングア)」と呼びます。
茶席で発達し、素朴さと気品を兼ね備え、滋味深い味わいが特徴。今回紹介する「薬菓(ヤックア)」は小麦粉にごま油や蜂蜜、酒などを入れて練り、油で揚げた後にもう一度蜂蜜をつけて作る可愛らしい花形のお菓子。「油菓(ユグア)」は米粉と酒で作った生地を揚げ、米やごまの衣をつける香ばしいお菓子で、有田名物の「陶助おこし」のルーツともいわれています。

韓国茶って何?
緑茶、発酵茶をはじめ、ゆず茶や五味子茶、なつめ茶、しょうが茶、菊花茶、蓮茶など豊富な種類があり、それぞれ薬効も期待できます。茶の研究では、18~19世紀の禅僧・草衣(チョウィ)禅師が有名。
韓国の「茶聖」と呼ばれ「茶神伝」など茶の本を多く残しました。本日のお茶のお手前は、草衣の精神を汲んでいます。

韓国料理って何?
新鮮な旬の食材を食卓いっぱいに並べ、白磁や真鐘の器に陰陽五行の5色をもとにした鮮やかな色合いが映えます。しょうゆと味噌、唐辛子をベースに、古来から厳しい冬を乗り越えるために発達した発酵文化の結晶として多彩なキムチが生まれました。食薬同源の考えから、食は体力だけでなく精神や魂の充実につながる「気運」をもたらすと信じられています。

パンソリとは、18世紀朝鮮で生まれた口承芸術で「パン」は人が集まる場所を、「ソリ」は声や歌を意味し、唱手と鼓手が絶妙な掛け合いの中で物語を紡ぎ出す。
悲恋や孝行話、両班(支配階級)風刺などを題材に民衆の生を描き、代表曲に「春香歌」「沈清歌」がある。
唱手がハスキーなパンソリの喉を体得することを「得音」(トゥグム)と言い、幼少期からの過酷な訓練が要求される。西便制、東便制、中高制の3流派があり、今回来演するのは哀歓の裴を美しく、かつ躍動的に歌い上げる「西便制」。

6月9日(土)、Fountain Mountain にて、
“芸能と陶芸から韓国を知る”イベントを開催します。
韓国重要無形文化財のキム・オンラン氏と
パク・ソラ氏による語り芸能「パンソリ」の公演に加え
肥前陶磁のルーツである粉青沙器の展示も。
陶工への敬愛を込め、
皆さまを韓国文化の粋へといざないます。

KOREA COI UMN
パンソリ鼓手・伽耶琴
金玉蘭 Kim-oaklan
1962年霊光生まれ。父が伝統音楽(農楽・ソルチャング)の奏者で、6人きょうだいの5番目ながら、ひとりだけ父と同じ道に進んだため「愛情を一身に受けて育ちました」。5歳から伝統音楽学院に通い、先生と1対1で毎日稽古。「みんなが遊んでいるときも練習ばかり」の日々は今に続く。伽耶琴の重要無形文化財で、舞踊と打楽器全般に通じている。 現在、全羅南道立国楽団の副監督。

パンソリ唱手
ホト設我 Park-seola
197/i年高興生まれ。好きな歌謡曲を歌い歩いていた13歳のころ、姉の友人に「歌がうまいんだから、パンソリをしてみたら」と誘われ、学院に入学。
パンソリの喉を作るために1日10~12時間歌い、山中の瀧の前で血が出るまで歌い続けたことも。
40代になり「ようやく子どもの声を脱皮して声が熟れてきた実感がある」という。「春香歌」の重要無形文化財。

韓国茶師範
朴 仁玉 Park-inok
1957年ソウル生まれ。牧師の父が赴任した全羅南道木浦の教会で育ち、現在は長興に在住。長興は李清俊など文豪を多数輩出し「文人の里」の名がある。ピアノ教師を経て、18世紀の全羅南道に生きた茶聖・草衣禅師の精神を汲む「草衣茶文化研究院」に所属。現在、韓国茶師範。韓国茶を人の性格に例えるなら「落ち着きと慎重さ」がある味わいで、対する日本の茶は「かろやかでふくよかな印象」だという。

粉青沙器作家
金汶澔 Kim-munho
1957年木浦生まれ。高校時代に陶芸の道を志し、20代で徴兵を終えた後、韓国各地の窯場や窯跡をめぐった。粉青沙器の大家・尹光照氏に弟子入りして土の研究に没頭し、赤土が広がる全羅南道務安に窯を開いた。「大地と水と空気が出会い、火の審判を受けて焼き物は生まれる」。土に触れ、土と対話し、ときに土を口に含んで粉青沙器の過去と現在を問い続け、形にしている。

ナビゲーター
西南学院大学非常勤講師
西谷郁
Kaoru Nishitani
1973年大分県中津市生まれ。アジア映画史専攻。
九州大学院比較社会文化研究科博士後期課程終了。九州大学韓国研究センター研究員として映像資料調査やドキュメンタリーを制作発表、自主映画やワークショップのプロデュースを手がける。 2009年福岡インディペンデント映画祭を立ち上げた。

飯洞甕窯
梶原靖元
Yasumoto Kajiwara
1962年伊万里市南波多町生まれ。有田工業高デザイン科を卒業後、唐津焼窯元・太閤三ノ丸窯に弟子入り。大丸北峰氏に師事し煎茶道具を学ぶ。 1995年に独立し飯洞甕窯を開窯。 2003 年に韓国で研修し、現在も韓国各地の窯跡調査を続けている。

韓国文化交流企画引用

イベントの後に庵久へ寄って頂き色んなお話をして下さりました。
また、西日本新聞社の平原奈央子さんにはイベントのご苦労と人との縁結びとを感謝します。

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庵久 IORI HISASHI
鶴田 純久TSURUTA YOSHIHISA
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